プードルはフレンチ・プードル、フランスの国犬とも呼ばれ、原産地はフランスと言われる事が多いですが、実際には世界中の多くの地域でかなり古い時代から存在が確認されておりフランス原産説には疑問が多くあります。
(プードルはドイツからフランスに渡ったと考えるのが妥当とされており、ロシアが原産との説すらあります。)
犬種名プードルはドイツ語の「プーデル」が語源で、水中で泳ぐさまを表わす語です。
トイプードルがスタンダードプードルを小型に改良した犬種である事は明らかですが、スタンダードプードルがミニチュアサイズを経てトイのサイズに縮小された歴史とその舞台は明確ではありません
16世紀フランスの上流階級で飼育された頃にはミニチュアプードルが存在し、ルイ16世の時代にはトイプードルが確認されています。
いずれにしても、プードルの劇的なサイズダウンがほんの短い時間で行われた事は判明しています。
大型のプードルはヨーロッパ各地のウォータードッグと近縁とされ、水泳が得意で、水辺のリトリバー犬としての性能がきわめて高く、広く猟犬として使用されていました。
プードルが水猟犬としてその活躍した時代に、水中での抵抗を少なくするため、保護すべき胸部や四肢の関節部を除く他の部分の被毛をカット(トリミング)する事が流行したようです。
現在プードル(トイプードル)をドッグショーに出陳する際には、ショークリップと言われるカットスタイルが決められているがこれは水猟犬時代の習慣に由来するものです。 尾のポンポンは犬の識別に役立ったと言われています。
プードルの被毛を規定のスタイルにカットする技法がいわゆる犬のトリミング技法の基本になっており、 一般にトリマーと呼ばれる職業は、プードルのカット技術を学ぶ事で資格を与えられる事になっているのです。
トイプードルは、プードルのサイズ別3犬種中、最も小さいサイズですが、日本とアメリカではサイズの上限に1インチの差があります。日本トイプードルは1インチ大きいにもかかわらず、規定のサイズ以内で繁殖をする事は一般に困難で、サイズオーバーになる個体が多いのが現状です。トイプードルがもとはスタンダードプードルからサイズダウンされた犬種である事を考えれば、無理からぬところといえますが、 トイプードルの繁殖(ブリーディング)には子犬サイズの安定と、毛色の安定という2つの困難が常につきまといます。